あなたは吹き抜けのすみにある小さな扉をノックしてみました。
「はい。……おや」
すると扉が開いて、先ほどの執事のおじいさんが顔を出しました。
「トイレに行って迷われたのですか。ご案内したいところですが、少々難が」
あなたが事情を放すと、執事さんは少し困ったように部屋の中を見ました。
あなたがそちらを覗き込むと、ころころと可愛らしい黒と白の毛玉が中で走り回っています。
と、それらが開いた扉に気付いて、こちらへ突進してきたではありませんか!
「ああ!」
慌てた声を上げる執事さんをすり抜けて、二つの毛玉はあなたへ飛びついて来ました。
あなたが思わず尻もちをつくと、二つの毛玉は嬉しそうにあなたの顔へ近づきます。
それは白と黒の可愛らしい子犬でした。
あなたは起き上がって、白い子犬を抱っこしました。その間に、黒い子犬は執事さんに回収されていました。
「申し訳ありません、親が出掛けているもので」
二匹の子犬の足はとっても大きくて太いです。きっととても大きくて立派な犬に育つことでしょう。
よく見ると、
あなたの抱っこする白い子犬の首輪には「S」、
執事さんが抱えている黒い子犬には「G」
という文字が刻まれた鑑札が下がっています。
「本当に申し訳ありませんでした」
執事さんに白い子犬を渡すと、彼はとても申し訳なさそうにしていました。子犬たちはおじいさんの手の中で手足をばたつかせています。
確かにこれでは、執事さんがあなたを案内している間に子犬たちがおばけとは違う悪戯をしてしまいそうです。
あなたは執事さんにみんなのいる部屋の場所を聞きました。それから子犬たちの頭をなでて、扉をゆっくりと閉めました。
さて、ここから先はどこへ行きましょう?
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