「伯爵と平凡な娘」
ハロウィンの冒険

いい匂いのする廊下の先

あなたはいい匂いのする廊下へ進むことにしました。するとその先にあったのは、キッチンでした。とはいっても、あなたの家の何倍もあるキッチンで、まるでレストランのようです。忙しく働くシェフとメイドさんが見えます。
すると、その中の一人があなたに気付きました。
「あらまぁ、おばけさん! ケーキはたりなかったのかしら?」
さきほどのメイドのおばさんです。
どうやらおばさんは、メイドさんたちの中で一番偉い人のようです。ちょっとふとっちょな体を揺らして入口にいるあなたに歩み寄って来たおばさんは、あなたの視線にぐいと体をかがめました。
あなたは素直に、迷ってしまったことを言いました。
するとおばさんは大きな声で笑って、
「あらまあおばけさん、それは大変!」
と言いました。
それからおばさんはエプロンのポケットから飴を取り出して、それをあなたの手に握らせました。
「このマーサがご案内してあげたいところですが、ご主人さまのお食事の用意を監督しないといけないんです。今年はこれからもっとお客様がいらっしゃるのよ。私が見張っていないと、みんなグスグスするんですからね!
さっきの場所を教えてあげますからね。これは勇気の飴です。客間に辿り着くまでに怖くなったら、これをなめて、元気を出してくださいな!」
あなたはおばさんにお礼を言いました。
それにしてもなんていい匂い! きっとこんなお屋敷だから、立派な人がたくさん来るのでしょう。
とっても綺麗に着飾った女の人や、立派なスーツを着た男の人。もしかしたらふつうのハロウィン・パーティーなんて目じゃない、凄いパーティーかもしれません。
あなたはそんなパーティーに思いを馳せながら、ふと手の中の飴を見ました。


飴の包み紙には、「R」とありました。


勇気の飴、と言われました飴。怖い事はなにもありませんが、ちょっと疲れてしまったのであなたはその包みを解いて飴を口に入れてみました。
甘い味が口いっぱいに広がって、なんだか元気が出ました。勇気もわいてきそうです。

さて、ここから先はどこへ行きましょう?

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