「伯爵と平凡な娘」
ハロウィンの冒険

吹き抜け正面の扉

正面のドアを開けると、そこには豪奢なリビングが広がっていました。
ソファとテーブルのセットが二つずつ。ひとつは暖炉の方を向いていて、もう一つはテレビの方を向いています。二つのセットは背中合わせです。なんて贅沢なんでしょう。
他にはいかにも年代物で高そうなカップとソーサーが入った立派な装飾の棚に、スピーカーがたくさんあるオーディオセット。見上げれば電気はシャンデリアのようです。
広さも尋常でなく、家族みんなでここに住む事も出来そうです。

それからふと、あなたは目の前に奇妙な扉を見つけました。黒い木に金の装飾が施された立派な扉です。
今まで見てきたどの扉とも違うようです。
裏方や、普通の部屋に通じているようなものではないような気がします。
だって、ノブも金ぴかで、曇りひとつなく磨きあげられているのですから。
扉を縁取る装飾は細かく、ライオンや鳥、葡萄や様々な植物や果実があしらってあります。
あなたは思わず一歩下がって、扉を上から下まで眺めてみました。
すると、ノブのすぐ上にドアの重厚さには似合わない現代式の小さなキーボードのようなものがついていました。見れば、数字とアルファベッドが並んでいます。
そのそぐわなさにちょっとがっかりしたあなたですが、少し目を挙げるとまた別なものが目に入りました。
金の装飾で施されたプレートに文字が書いてあります。


 
 


二人の従僕、我にあり

白き従僕が最前にあり。
白き従僕は背に甘い蜜に隠す。
蜜の後ろにはが転がる。

これらは緑の酒場のある通りにて
追って来る黒き従僕をからかわんがための戯れなり。

これは兄弟の戯れなり。

従僕は未だ小さく、
その後ろ姿を頭だけをめぐらせてが見守らん。

我はそれら全て小さきものとして

それらを見守らん。
 
 


一体、なんのことでしょうか?
もしかしたら小さなキーボードと関係あるのかもしれません。
ノブは回しても引いても押してもうんともすんともいいません。
キーボードは何かの入力装置なのかもしれません。
すると上の言葉はパスワードを示しているのかも。そういえばお屋敷中でアルファベットを見かけた気がします。
あなたはそれを思い出してみることにしました。
そして……

ちょっとキーボードを押してみる。

やっぱりやめて教えてもらった客間へ行く

もう一度吹き抜けへ戻る

back  home